プラセンタは直訳すると「胎盤」という意味で、小さな命を守り育む大切な臓器です。医薬品(注射)にはヒトの胎盤が用いられますが、化粧品やサプリには豚や馬のほか、胎盤ではないメロンプラセンタや魚プラセンタといったものも流通しています。
ここでは
- プラセンタの効果
- 豚や馬など起源による違い
- プラセンタの抽出法による違い
についてご紹介します。少し専門的な内容もありますが、最後までお読みいただければ幸いです。
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目次 読みたい内容を素早く探せます
プラセンタの栄養素・効果
小さな命を育む胎盤には、生き物に必要な栄養素が豊富に詰まっています。プラセンタが究極の美容成分としてサプリや化粧品だけでなく、肝炎や更年期障害の治療にも使われるのも重要な栄養素がバランス良く含まれているからです。
プラセンタの栄養素
- 三大栄養素
タンパク質(アミノ酸)
糖質
必須脂肪酸
- 生理活性物質
細胞成長因子(EGF・FGF)
ビタミン
ミネラル
核酸
酵素
プラセンタには、生命の源となる三大栄養素「たんぱく質・糖質・必須脂肪酸」以外に、新陳代謝を促進する生理活性物質「成長因子・ビタミン・ミネラル・核酸・酵素」などの栄養素がぎっしり詰まっています。
特に、年齢と共に衰える「細胞分裂」を活性化する細胞成長因子や核酸は、アンチエイジングに重要な成分です。
プラセンタの効果
- 新陳代謝を高める
- 血行を促進する
- 基礎代謝を上げる
- 自律神経のバランスを整える
- 免疫機能を高める
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
プラセンタの新陳代謝促進作用はシミや小じわの改善、抗炎症作用は赤ニキビに効果を発揮します。
※プラセンタの一般的に言われている効果で、効果効能を保証するものではありません。プラセンタの効果は、種類や用い方により変わります
プラセンタの種類と特徴
牛プラセンタ
牛は妊娠のサイクルが早く、胎盤も大きいため、効率よく多くのプラセンタ原料を得ることができるため、コスト・品質の面で優れていましたが、2001年9月の「狂牛病問題」で、使用量が激減しました。
牛由来のプラセンタ製品を購入する時は、原産国や使用部位を良く確認しましょう。
豚プラセンタ
狂牛病問題で牛プラセンタの代わりに使われはじめたのが、豚のプラセンタです。
豚は年に2~3回10数頭出産するので胎盤の流通量が多いため、価格がリーズナブル。現在、日本で流通しているプラセンタ製品の多くは、豚由来のプラセンタエキスが使用されています。
豚の臓器は、海外ではヒトの臓器移植手術に使われる例があるように、人間の生体に近くヒトと相性のいい動物と言われています。
臓器移植用ブタを作製、来年初めに供給開始予定…明大・京都府大などチーム
明治大や京都府立大などのチームは、人への移植用のブタを作製したとして、10日に大阪府吹田市で開かれる日本異種移植研究会で発表する
ブタのプラセンタの欠点として挙げられているのが残留薬品。
食用の豚は、感染症を防ぐためにワクチンや抗生物質を投与されることがあり、それらの薬品がプラセンタエキスに残留するという噂があります。
しかし、食品衛生法では、牛や豚を飼育する際に使用した動物用医薬品や飼料由来の農薬など、食肉中に残留しないよう検査があり、食べても問題がない基準で育てられています。
またSPF豚においては、微生物や寄生虫などの悪性の病原体を持たないよう徹底した衛生環境の中で育てられています。
馬プラセンタ
希少性があり高価な馬プラセンタ。
馬は豚と違い、年に1回1頭しか出産しないため、原料となる胎盤の流通量が少なく大変高価です。豚よりも品質が優れているから高価なわけではありません。
アミノ酸が多いと言っても1g中数十mg(耳かき1杯にも満たない量)の違いですので、コスパで考えると豚プラセンタでも十分に思います。
羊プラセンタ
牧羊の盛んなヨーロッパやオセアニア、北米では、原料が豊富で一般的なプラセンタです。
羊の胎盤は人間のものに非常に近く、とくにアミノ酸組成が似ています。
体内に取り込んでも適応性が高く、免疫反応が生じる可能性が少なく、身体への馴染みが良く高い効果が期待されています。
なかでもニュージーランドやスイスの羊プラセンタは、羊毛のために放牧されている羊のプラセンタを用いており、農薬などの心配がない大草原で、牧場の徹底管理を受けて出産するため安全性の面で期待できます。
一方で羊には、狂牛病(BSE)同様、“スクレイピー”という致死性の高い伝染病が存在しています。
「BSEやスクレイピーの発生している国やリスクの高い国を原産国とするウシ、シカ、羊、ヤギなどの動物に由来する原料は使用しないこと」という政府通達が出ており、国内に輸入されている羊プラセンタはチェックを受けています。
海外などで羊由来のプラセンタ製品を購入される際は、原産国を確認し、信頼のおける会社から購入するようにしてください。
魚プラセンタ
魚由来のプラセンタはマリンプラセンタ®とも呼ばれ、今、人気のあるプラセンタのひとつ。マリンプラセンタは(株)日本バリアフリーの登録商標です。
魚由来のプラセンタは、鮭の卵巣膜(筋子の薄皮)を原料として作られています。
胎盤由来のプラセンタと異なり成長因子は含んでいませませんが、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどの美肌成分を数多く含んでいます。
- 18種類のアミノ酸
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- エラスチン
- コンドロイチン硫酸
- 核酸
植物性プラセンタ
胎座には、動物性プラセンタと同じようにアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれています。
植物性プラセンタの原料は、ダマスクローズやメロン、ハス、椿、チューリップなどが使われています。
プラセンタの抽出法
少し専門的な用語もでてきますが、プラセンタの抽出方法のお話です。なるべく分かりやすく書いたつもりですが、最後まで読んでいただけるように、間にかわいい写真を入れておきます。
プラセンタから有用成分を抽出する方法はいくつかあります。
- 加水分解法
- 超高圧加水分解法
- 酵素分解法
- 高圧酵素分解法
- 凍結融解法
- 凍結酵素抽出法
- 乳化抽出法
- 分子分画法
- 細胞培養法
- 細胞培養法
- 非分解製法
漢字ばっかりで眠たくなりますよね。猫の写真で一休みしてください。
1.加水分解法
塩酸分解法とも呼ばれ、医療用プラセンタ(メルスモン)の製造にも用いられる代表的な抽出法です。
胎盤を分解釜に入れ、アセトンで脱脂し、たんぱく質を塩酸で加水分解します。
プラセンタの主成分であるたんぱく質をアミノ酸レベルにまで分解できる一方で、塩酸などの強力な酸を用るため、有効成分が損なわれるというデメリットがあるようです。
2.超高圧加水分解法
加水分解法に加圧法を組み合わせた抽出法です。
加水分解法で得たプラセンタエキスに高圧を加える事によって、プラセンタエキスの粒子同士がぶつかり、微粒子となってナノ化プラセンタとなるものです。
ナノ化プラセンタは、高濃度で粘度が低く匂いも軽減できるため、近年、多くのプラセンタ製品で採用されています。
デメリットとしては、プラセンタの成分が壊れてしまい、貴重な成分を失ってしまうとい点です。
3.酵素分解法
酵素の力でプラセンタの細胞壁だけを壊して、取り出したい有効成分を抽出する方法です。
加水分解法と比べ有効成分の抽出率が高く、温度や圧力などたんぱく質を変性させる要素も少ないため、プラセンタエキスに含まれる成分の量が豊富という特徴があります。
4.高圧酵素分解法
酵素分解法を高い気圧の掛かった環境下で行う抽出法です。
酵素の働きが促進され、より多くの有効成分を抽出する事が出来るという特徴があります。
5.凍結融解法
凍結破砕法または、細胞破砕法とも呼ばれています。
プラセンタを急速冷凍、その後解凍することでプラセンタの細胞壁を破壊し有効成分を抽出する方法です。十分な有効成分を取り出すためには、凍結と融解を最低2回以上繰り返す必要があります。
シンプルでコストパフォーマンスの良い抽出方法ですが、温度変化が多いため蛋白質が変性したり、融解過程で大切な有効成分が溶け出してしまうという欠点があるため、高品質なプラセンタエキスの抽出には向いていません。
6.凍結酵素抽出法
凍結融解法の欠点を、酵素分解法の長所でカバーした抽出方法です。
高い抽出率と凍結融解法の手軽さを併せ持った効率の良い方法として、プラセンタの原料抽出法として増えつつあります。
高純度のプラセンタを得ることは可能ですが、温度変化によるたんぱく質の変性過程は避けられずコストもかかります。
7.乳化抽出法
プラセンタの科学的な研究で有名なロシア科学技術アカデミーが製法特許を持つ抽出法です。
水・添加物・防腐剤・熱処理をいっさい加えることなく、180日間という時間をかけて、プラセンタそのものを乳化させる抽出方法です。
プラセンタの有効成分を多く抽出できる一方で多くの時間と手間が掛かるため、コストが高く、生産量にも限界があるため製品価格が高くなります。
8.分子分画法
医療用プラセンタ(ラエンネック)の製造に使われる抽出方法です。プラセンタ水溶液を特殊なフィルターで濾過し、有効成分を抽出します。
9.細胞培養法
ワクチン生成等に用いられる細胞培養法を応用した抽出法です。
プラセンタから取り出した細胞を増殖させるため、成長因子を多く含むという特徴があります。
最先端の技術を必要とする抽出法であるため、抽出量に限界があり、多くの費用を必要とするため、コストが跳ね上がるという欠点があります。
10.非分解製法
従来の抽出法とは異なり、プラセンタそのものを粉砕し粉末化したもの。
ゆっくりと時間をかけることで、プラセンタへの温度の変化を少なくし、プラセンタが本来持っているタンパク質やアミノ酸、成長因子などの有用成分を壊すことなくエキス化します。
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