- セラミドは角層細胞の隙間を埋める「細胞間脂質」の約50%を占める成分です。
- セラミドは肌の水分蒸発を防ぐ役割と、アレルゲンなど刺激物質の侵入を防ぐ役割があり、肌のバリア機能を担っています。
- 敏感肌の人は積極的に補って欲しい成分です。
- セラミドにはヒト型セラミド・セラミド前駆体(セラミドの元になるもの)・擬似セラミド」に分類できます。
- 効果はヒト型セラミドが1番(一定の条件下で)
- 化粧品の成分表示でセラミドと書けるのはヒト型だけ
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セラミドの役割と効果
セラミドは肌の角層にある保湿成分で、角層細胞の隙間を埋める「細胞間脂質」の約50%を占める成分です。
セラミドは水分をサンドウィッチのように挟み込んで保つ働きがあります。
また、細胞同士の隙間を埋めて、水分の蒸発や異物の侵入を防ぐ働きがあることから、肌のバリア成分(バリア機能)と呼ばれています。
セラミドが不足すると乾燥肌や敏感肌に!
年齢や間違ったスキンケアが原因でセラミドが不足すると肌に隙間ができてしまいます。
隙間からは水分が蒸発しやすかったり、異物が簡単に侵入できてしまうため、肌は乾燥し刺激に対して過敏な状態になります。
セラミドは保湿成分の一要素
肌の保湿には次の3要素があり、どれが不足しても健康な肌にはなりれません。
保湿の3要素
- 水溶性保湿成分(アミノ酸やヒアルロン酸)
- 細胞間脂質(セラミドやコレステロール)
- 皮脂
保湿の3要素のバランスが大事!ではありますが、肌のバリア機能を担っているセラミドはもっとも重要。特に敏感肌の人は積極的に補って欲しい成分です。
セラミドの分類・種類
ネットでセラミドを調べると「天然型、合成」とか「ヒト型、擬似セラミド」「植物セラミド」など色々な情報があって混乱しますよね。
セラミドは構造がとっても複雑で、植物由来や酵母由来など起源も色々あるので、単純に分類するのが難しい成分です。
かといって
セラミドはスフィンゴシンに脂肪酸が結合した物質(スフィンゴ脂質)です。・・・という専門的な話をしても珍紛漢紛(チンプン・カンプン)ですよね。
ここではセラミドを次の3種類に分類して説明します。
- ヒト型セラミド(人の肌にあるのと同じセラミド)
- セラミド前駆体(セラミドの元になる物質)
- 擬似セラミド(セラミドに似た構造・働きをする物質)
ヒト型セラミド
人の肌にあるセラミドと同じ構造のセラミドを「ヒト型セラミド」と言います。また、このヒト型セラミドだけが化粧品の成分表示でセラミドと書くことができます。
現在のところ、人には7種類以上のセラミドが確認されています。基本的な役割は同じですが、それぞれ少しづつ違う役割もあるので、特に重要なものだけ簡単に紹介したいと思います。
セラミド1
化粧品成分表示:セラミド1または、セラミドEOP
セラミド1はセラミド同士を繋ぎ止める働きがあり、バリア機能を高める役割を担っています。
セラミド2
化粧品成分表示:セラミド2または、セラミドNS、セラミドNG
セラミド2は、セラミドの中でも水分保持の役割が大きいセラミドです。
セラミド3
化粧品成分表示:セラミド3または、セラミドNP
セラミド3は、小じわの軽減や水分保持に役立つセラミドです。
セラミド6-2
化粧品成分表示:セラミド6IIまたは、セラミドAP
セラミド6IIは、肌のターンオーバーを正常化する働きや、小じわの軽減に役立つセラミドです。
セラミド前駆体(セラミドの元になるもの)
専門的には「糖セラミド」「グルコシルセラミド」「スフィンゴ糖脂質」「スフィンゴ脂質」と呼ばれ、広い意味ではセラミドに分類されますが、厳密には人の肌にあるセラミドとは構造が違うセラミドです。
下の図は、肌の中でセラミドがどのように作られるかを表したものですが、「スフィンゴシン→セラミド→糖セラミド→セラミド」という順で作られています。なので、セラミド前駆体(セラミドの元)という分類にしています。
括弧内は化粧品の成分表示名称です
米ぬかセラミド(コメヌカスフィンゴ脂質)
ベジタブルセラミド(スフィンゴ糖脂質)
ミルクセラミド(スフィンゴエミリン)
こんにゃくセラミド(コンニャク根エキス)
ゆずセラミド(ユズ果実エキス)
馬セラミド(セレブロシド)
擬似セラミド(セラミド類似成分)
擬似セラミドは、セラミドの構造に似せて作られた成分で「合成セラミド」「セラミドケア成分」「セラミド類似成分」などとも呼ばれ、花王や味の素が製造しています。
- ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド
- 長鎖二塩基酸ビス3-メトキシプロピルアミド
- セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
- ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)
石油から作られていると紹介しているページもありますが、植物から作られているものもあります。
例えば、「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」ですが
- ラウロイル=ラウリン酸は、椰子油
- グルタミン酸は小麦
- フィトステリル=フィトステロールは植物ステロール
- オクチルドデカノール=椰子油または植物でんぷん
といった具合に植物原料が使われています。
効果の違いは?
ヒト型セラミド、セラミド前駆体、擬似セラミドは、どれも保湿効果はあります。
ただ、ヒト型セラミドには、セラミドを増やす効果や、バリア機能改善する効果が確認されていますが、他のセラミド(※)にはそういった効果はないと言われています。※セラミドは本当に種類がたくさんあるので、例外はあります。
保湿効果は濃度次第なんですが・・・
当たり前の話ですが、配合濃度が高いほど保湿効果は上がります。
ただ、ヒト型セラミドやセラミド前駆体、擬似セラミドの濃度を単純に比較することはできません。
例えば、ヒト型セラミドは0.023~0.2%位で効果があるとされていますが、擬似セラミドで同じ効果を出す場合、種類にも寄りますが1~8%位配合しないと効果がないとされています。
ここで原料原価のお話、ヒト型セラミドはとても高価ですが擬似セラミドは比較的安価なので、ヒト型セラミド0.02%と擬似セラミド1%の原料原価は同じ位になります。
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